Production Notes2
『忌譚』第二幕:空蝉の光 枚銜の闇
 いきなりですが、第2幕は制作に入るまでが難産でした。制作環境の難産というべきでしょうか。色気を出して就職したのが、体調不良の禍いの元だったかもしれませんね。現在はフリーランスに戻っております。
 C69発表予定が、ズレ込んでC70の発表となってしまいましたし、本当にご迷惑をおかけ致しました。
 それにしても、昨年末から年始にかけての身にかかる不幸の連続には、正直参りました。指の骨には亀裂ビシビシ入るし、仕事面でも色々ありましたしね。
 というような様々な事情が入り交じっての、1年越しの制作物発表となりました。どのような評価が下されるのか、正直ドキドキです。

 今回、絵描きさんの入れ替わりがありました。
 辰巳さゐさんから橘 六花さんへのバトンタッチになります。
 ということで、今までのキャラはほとんど差し替えとなりました。佐久間刑事とローブの男だけが前回からの使い回しになります。

 今回登場したクトゥルフ神話生物たちは、かなりオリジナル脚色を加えました。神話生物の名前は明かしませんが(一部、劇中で明かしておりますが)、それはそれで、どんな生物なんだろう? ということを想像して、探すお楽しみにして頂ければと思います。
 こんな能力ねえよ! という突っ込みは御許しください。特に第5章に登場する魔犬に関しては、クトゥルフ神話の設定よりも大幅な能力アップということになったかと思います。火は吐く毒ガスは吐くと、下手な下級神よりも強くなってしまった感があります。お気に入りの神話生物だったので、従来の設定のままでは第2幕最強の敵という状況には持って行けないと考え、様々な能力を付与した結果になります。
 逆に、第4章に登場した生物に関しては、呆気ない最後となってしまいましたが、TRPGでアレに遭遇した場合は、劇中のようには倒せないかと思います。そこはそれ、お話なのでお許しください。

 さて、現在の物語は、朔也と二人のヒロイン(八重、麟)という軸で動いておりますが、実は忌譚の企画当初は、二人はサブヒロインでしかありませんでした。企画当初は18禁ゲームの予定(諸処の事情から一般向けになりましたが)で進行し、メインヒロインは、現在は脇役以外の何者でもない千里のはずでした。
 麟に関しては、都合のいい時にHシーンを簡単に入れられるキャラとしてしか設定してませんでした(その名残が、序章にある添い寝のエピソードです)。
 プロットとのズレが生じ始めたのは、1章を書き出してからです。プロット通りに動かすと、どうしても物語に無理が出てしまうので、アーダコーダと試行錯誤しながら書いてましたところ、堪えきれなくなったのか、八重が暴走して俗にいう『キャラの独り歩き』というものが始まりました。
 妖蛆との戦いの場に、本当は千里も出てくるはずでしたが、八重の自己主張で朔也と作者に気づかれぬまま素通りということになったようです。あとは、気づかれずに独り歩きしていた麟の主張がはじまって、ダブルヒロインという物語構成になりました。

 本来考えていた話の形では無くなってしまうなぁと思ったのは、実は第2章目を書いていた辺りからでした。とりあえず、このまま進めようと考えて臨んだ夏コミ。そして、その後に大筋をまとめなおして冬コミに臨もうとしたのですが、アクシデントの連続。さらに体調の悪化という始末。年末の仕事納め(&その時勤めていた会社のでの最後の出社日)に高熱を出して、家まであと十数メートルというぶっ倒れました。なんとか身体を起こして家にたどり着きましたが、意識失ってたら凍死してました。
 そして気を取り直しての制作の再始動ですが、新しく勤めた会社での問題もあって、思ったように進まないのが世の常。色々と紆余曲折があって、2月末にはフリーランスに戻りました。会社勤めがここまで性に合わない身体になってるとは思いもしませんでした。

 全体プロットの再編成。そして第2幕のプロットの再編成を行なって、作業に入ったわけですが、実質、本格的なシナリオ執筆に取りかかれたのは6月中旬くらいでした。

 そんなこんなで今回は、そうした厳しいスケジュールの中での制作になりました。秀庵さんの音楽と六花さんのイベント原画に、シナリオの執筆はかなり救われたという感じです。第4章末の麟のルートは、六花さんが描いてきて下さったイベント絵のラフを見てから生まれた流れになります。あのイベント絵が無ければ、あのエピソードは生まれなかったわけで、そういう意味では頭があがりませんです(打ち合わせ次第では、あそこに出る小道具が、カラーひよこになっていました><)。
 こちらの要望に応えつつ、さらに+してくれる感じという絵を描いてくださって、本当にありがとうございます。
 しかも、打ち合わせ最中の会話が色々と楽しかったです。何度、『鬼畜作家』とか、『ぶっころす』とかという言葉が飛び交ったことでしょうか? 面白い事に、さゐさんは麟Loveなご様子でしたが、六花さんは八重Loveという感じでございまして、本当に愛あふれる八重を描いて頂けたことに感謝しております。よって、『ぶっころす』という言葉が物語のどの辺で出たのか、ご想像くださいまし。
 また、例によって秀庵さんの曲には、第5章の魔犬の曲を含めて、書いてる最中に聞きまくりという感じでお話のテンポを作らせて頂きました。5章の八重のシーンを描いている時も同じですね。どうしたら、この曲を活かせるか? とかと考えながらの執筆になりました。上手く同調して読んで頂ければと思うのですが、ドキドキですだよ><

 曲に救われたということでいいますと、今回の制作は、Gacktの曲『mind forest』に救われました。八重のシーンの大半の発想は、Gacktの曲に依存してたりします。やっぱり、音楽と発想は切り離せないものですね。

 そしていよいよ終幕に突入となりますが、予想通りというか予定通りというか第5章で主人公の朔也がアノ状態です。さて、あそこからどうやって無理なく進めるのか……実は、それがまだアイデアが何パターンかあってまとまってない感じなのでございます。
 さらに終幕でエンドは複数を予定しております。はてさてどうしたらいいものか……。
 とりあえず、制作開始までの残された時間、よく考えてみようと思いますので、終幕完成まで、生暖かく見守って頂ければ幸いです。