ある日の放課後。銀朱に染まった教室。
焼けるような橙の中、クラスメイトの大友茉莉佳は立っていた。
低俗愚劣な落書きに汚された制服を身に纏い、ただ呆然と。
少女と同じ陰鬱な経験を持っていた少年、添田邦彦は、同情と哀れみから茉莉佳へとジャージを貸してやる。
それが狂気に満ちた世界へと、足を踏み入れる切欠になるとも知らずに……